ソフトバンク大場翔太投手(24)が「脳内改革」で勝負の3年目に挑む。今季先発未勝利だった右腕は現在、母校の八千代松陰高で自主トレ中。先輩である日本ハム多田野を練習相手に、来季の巻き返しに向け汗を流している。「多田野さんの遅いボールとかは参考になります。あんな遅い球は投げられないけど頭を使って、考える投球をしたい」。40キロ台とも言われる超遅球を駆使する技巧派の先輩から、投球術を吸収しようと躍起だ。

 今季は12度もチャンスをもらいながら先発未勝利。セットポジションになると崩れるという同じミスの繰り返しに、チームからの信頼も失いかけた。その右腕が、脳内に変革を起こし「考える投球」を目指すことを決意。きっかけは、今季大場がマウンド上で何度となく公開説教をくらった小久保の言葉だった。

 今月中旬、福岡市内の飲食店で主将の小久保とばったり出くわした。「いい機会だから、真剣に話をした」と小久保は言う。その場で大場は2月のキャンプ終了までに本を5冊読むこと、心に残ったことを「読書ノート」に書きとめることをノルマに課された。「小久保さんも真剣に考えてくれて助言も頂いたので、絶対来季こそそれに応えたい」。早速、自己啓発の本を読みはじめ、どんなことでも貪欲(どんよく)に吸収する。

 年明けは、母校の東洋大で自主トレを行う予定。「いつまでも、ヘラヘラしてられないんで」。08年のプロデビュー戦で、無四球完封というリーグ初の偉業を果たした怪物が来季「3年目の本気」を見せるはずだ。【倉成孝史】

 [2009年12月29日11時20分

 紙面から]ソーシャルブックマーク