【フェニックス(米アリゾナ州)13日(日本時間14日)=四竈衛】広島の4番栗原健太内野手(28)が、野村新体制のリーダーとして名乗りを上げた。同地の施設で自主トレを公開し、今季は「試合で引っ張っていきたい」と宣言。WBCで一緒に戦ったマリナーズのイチロー外野手(35)、同じ施設で練習するレッドソックス松坂大輔投手(29)を手本に、目標の100打点を達成するだけでなく、野球に取り組む姿を示すことで、チームをまとめていく考えを明かした。
体だけでなく、表情も引き締まっていた。最高気温24度。今年で5年目となるアリゾナ自主トレに励む栗原は、真剣な顔つきで2010年の抱負を口にした。「どういう形で盛り上げられるのか考えています。スタメンの選手も若くなって、そういう部分を求められるだろうし、そういう時期が来たことを実感しています」。今回は会沢、鈴木の若手2人が同行。野村新体制となった今季、自らが新リーダーとして率先してチームを引っ張っていく覚悟を明らかにした。
偉大なスター選手との接点が、小学校から高校まで主将を務めた栗原のリーダーシップを呼び起こした。昨年3月のWBCで緊急招集された栗原は、ドジャースタジアムのロッカー室でイチローと隣り合わせになった。試合前こそストレッチをしたり、音楽を聞きながら集中力を高めていたイチローが試合後は気さくに声をかけてきた。時差ボケの中、韓国との準決勝で3打数無安打2三振に終わった栗原に対し、ねぎらいの言葉ももらった。「そういう気遣いがうれしかったです」。
今年から同じスポーツジム「アスリート・パフォーマンス」で練習する松坂の親しみやすさも、栗原には驚きだった。「あれだけのスーパースターなのに、普通に話してくれるし、しゃべりやすいんです」。この日もケージ内で打撃練習に励む栗原を「視察」。松坂自身がケージに入り、栗原の新型バットをテストするなど、分け隔てない接し方は、新鮮だった。「プレーもさることながら、人としてもすばらしいです」。10日の休日には、松坂をはじめメッツ五十嵐らと一緒に、観光名所セドナ国立公園に出かけるなど、練習場以外での付き合いも、栗原には大きな刺激となった。
もちろん、リーダーに恥じない成績を残す目標にブレはない。昨季は4月下旬に腰痛に見舞われ、シーズン終了まで調子を維持できずに終わった。「4番は全試合出なきゃいけない。チャンスでいかに打てるかです」。数字のこだわりは、チームの勝利に直結する100打点。08年オフに手術した右ヒジの不安はあるものの、一塁から三塁へのコンバートにも、積極的にチャレンジしていく覚悟だ。
インパクトの瞬間のパワーをアップさせる新打法にも改良中。「もうひと息、もうひと皮むけるようにしたい。姿を見て付いてこい、と言えるようにしたいですね」。機動力を駆使する「野村野球」の得点源、そして新リーダーとして、栗原の言動は自覚にあふれていた。
[2010年1月15日10時53分
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