ソフトバンクのドラフト4位ルーキー中原恵司外野手(22=亜大)が、球界34年ぶりの快挙に挑戦する。14日に新人合同自主トレ第2クールがスタート。今季チーム唯一の大卒新人は、大卒1年目の外野手ではパ・リーグ初、両リーグ通じて76年田尾安志(中日)以来となる新人王を大目標に掲げた。「1年目からレギュラーでやれるような甘い世界ではないと思うけど、そういう形になれば最高ですね」。控えめな言葉に、秘めたる野望をにじませた。

 先輩たちへの「取材」でヒントを探る。今季から新加入の大石ヘッドコーチは同じ亜大の出身で、入団2年目の82年に内野手として新人王に輝いている。チームには他にも和田(03年)三瀬(04年)摂津(09年)と新人王経験者がズラリ。「すごい方たちがいるので少しでも話を聞ければ」。ポジションは違うが、積極的に話しかけるつもりだ。

 “失敗談”にも耳を傾ける。亜大の3年先輩にあたる松田は、新人王候補と期待されながら1年目の06年は出場62試合で打率2割1分1厘、3本塁打と苦しんだ。既にドラフト後に食事をともにしており「一番身近な先輩なので聞きやすい」と頼りにしている。

 昨年の日米大学選手権では日本代表の4番としてMVPも受賞しており、ドラフト4位ながら実力は申し分ない。14日には球団から支給された「iPhone(アイフォーン)」の説明を受け、今後は小久保や松田の映像を手本として活用していく。「常に1軍を目指してやっていきたい」。おとなしそうな外見とは裏腹に、胸の内には熱い闘志が燃えさかっている。

 [2010年1月15日11時59分

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