日本一返り咲きへ再スタートを切る日本ハムが、キャンプインを前に厳戒態勢に突入した。1軍キャンプ地の沖縄・名護市営球場は老朽化が著しく、過去に不慮の故障に見舞われる選手が出るなど、いわく付きの施設。15日に球団の施設管理担当を派遣し、16日から未然に防ぐための「パトロール」を展開する。

 本番まで2週間以上も前に、南国へ刺客が送り込まれた。この日、鳥居ファーム運営担当ら球団スタッフが沖縄入り。夜間練習用のテント設営などを行うためだが、もう1つの狙いが事故防止だった。利用する球場は12球団で一番、不具合がある球場として有名。同運営担当は「そういうことがないよう、しっかりとチェックします」と気勢を上げた。

 今季はスレッジが横浜、藤井が巨人へ移籍。世代交代を目指すポジションが複数ある。戦力見極めの重要な期間だけに、神経をとがらせる。08年のキャンプ直前の自主トレでは、金森が外野芝生でのランニングメニュー中に、老朽化したフェンスの金属片を踏み左足首をねんざ。ほぼ1年間、棒に振った経緯があるだけに、早めに「査察」を行うことにした。

 小石が落ちていたこともあるグラウンド、外野芝生のチェックなど、市側のスタッフと完ぺきに行う予定。また少年野球のように傾斜が低かったマウンドの改修なども行い、不備を排除する。近年、市側もようやく理解を示し、少しずつ改善されつつはあるが、いまだ難題は山積しているのが現状。選手側からも不平不満が出ているだけに、可能な限り無用な足止めを回避にいく。【高山通史】

 [2010年1月16日10時52分

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