秘密兵器が単独アピールに成功!
広島沖縄キャンプ第1クール最終日の4日、ドラフト6位の川口盛外(たけと)投手(24=王子製紙)がブルペンで投球練習を行い、野村謙二郎監督(43)から高評価され、また株を上げた。投手陣では最後まで1人で残ってピッチング。大野ヘッド兼投手コーチら首脳陣が見守る前でキレのいい球を投げ込んだ。即戦力の中継ぎ左腕候補として存在感が増してきた。
そうそうたる顔ぶれの視線が降り注いでも、まったく動じなかった。大野コーチが打席に入り、その他の首脳陣も周囲に立つ。捕手後方には評論家陣がズラリ。ブルペンのマウンドにはルーキーの川口以外、誰もいない。偶然舞い込んだ、アピールチャンス。投げるうちに心変わりした。
「(状況が)おいしいですね。監督も目に入って、スタッフの方も結構いらっしゃった。数を投げてスタミナをつけようと臨んだんですが、(それは)やめて、自分の持ち味の投球を見ていただこうと思いました。気持ちを切り替えて臨みました」
ひたすら腕を振り、コーナーにキレのある球を投げ込んだ。カーブ、スライダー、カットボール、チェンジアップ、シュート…。持てる球種をあますところなく披露した。捕手、投手の後方にめまぐるしく移動してチェックした野村監督も「いい球を投げていたし、目立っていました。声を出しながら一生懸命やっていた。頑張ってくれていますよ」と評価。中継ぎ左腕候補の1人として、名前はしっかり刻み込まれた。
大野ヘッド兼投手コーチも「このキャンプで一番、手応えがあったんじゃないか。慣れてきたかな」と話す。実戦デビューは、ドラフト1位の今村とともに13日からの宮崎日南キャンプになる予定だが、重要な第1クールで上々のスタートを切った。
発奮材料もある。この日引き揚げる際に、かつての旧友と再会した。早大でともに学び、富士通陸上競技部に在籍する下平芳弘選手だ。陸上競技場を横切ったときに偶然遭遇。「アレッて…。同じ授業も受けていたんです」。同選手は05年アジア選手権800メートルに出場した実力者。自身は早大準硬式野球部出身で異色の球歴からプロ入りした。たどった道は違えど、刺激になるのは間違いない。
夜間練習ではシャドー投球を繰り返し、技術の向上を目指す。「もっとキレも出ると思います。キレのある球を何球続けられるか」。ハングリー精神を原動力に、プロで生き抜く土台を築く。【酒井俊作】
[2010年2月5日11時1分
紙面から]ソーシャルブックマーク




