キャンプ中に自チームの選手が亡くなるという信じ難い事件に、オリックス岡田彰布監督(52)は言葉を失った。「最初聞いた時はもう訳もわからんかった。何も浮かばへん。考えられない」。正右翼手にと期待していた小瀬選手の練習を前日も見守っていた。「最後に会ったの?

 昨日の特打の時よ。元気にやっとるな、思うてたよ」と唇をかんだ。昨秋の監督就任後、自ら知り合いのメーカーのバット担当者を紹介するほど、高い打撃技術に注目していた。

 2年ぶりに球界復帰し、本格的なチームづくりのさなかに起きた悲劇。夜にはチーム宿舎でコーチ陣と選手会長の日高剛捕手(32)と緊急会談し、V奪回へキャンプ続行を決めた。

 だが「能力があるとかないとか関係なく、昨日まで一緒にやっていたわけだから…。選手には前向いていこうなんて、よう言わん。そんな簡単なことじゃない。明日、あさっては練習をそんなにせんと思う。メニューはこなせんやろ」と言った。いつもは明るい会話で場を盛り上げる岡田監督だが、やや血の気のうせた顔で何度もため息をついた。6日は1、2軍がキャンプ地の宮古島市民球場で黙とうをささげる。

 [2010年2月6日17時12分

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