今年は足もとから男前!

 中日浅尾拓也投手(25)が25日、足の裏にフィットする特注インソールをスパイクの中敷きに使用して試合に臨むことを明かした。投球時に下半身のぐらつきをなくし、制球力を高めることが目的。今キャンプ中、連日ブルペンで感触を確かめ、「ぴったりソール」の使用を決意。この日打ち上げた沖縄・北谷キャンプでは新フォームも習得し、ニュー浅尾として2010年シーズンに挑む。

 右のセットアッパーとしてオレ竜の命運を握る浅尾が、打者には見えない秘密兵器を“踏みしめて”シーズンに挑む。キャンプのブルペンで試してきたのは、世界にただ1つしかない浅尾専用のインソール。「いまのところ感触はいい。これから実戦でも使っていこうと思います」と、足の裏にジャストフィットした相棒とともに、オープン戦のマウンドに上がる。

 きっかけは課題の制球だった。昨季中、ボールが甘く入り、長打を許した試合が何度もあったと反省。改善策を考えていたところ、関係者から特注インソールを紹介された。効果を聞いた浅尾は迷わず、商品を製造する松本義肢製作所に自分専用のインソールを発注したという。

 浅尾

 足もとがぐらつかなければ下半身も安定するし、コントロールにもつながる。しっかりと踏ん張ることができれば、その分ボールにも力が伝わってキレのいいボールがいく。より良いピッチングをするために、自分でできることは何でも試そうと思った。

 約2カ月越しで手にした相棒だった。今年1月上旬に足形を採取し、グアムでの自主トレ中に試作品を使ってみた。さらに一部を改良し、より足裏にフィットする新型で今キャンプを過ごし、“シーズン帯同”を決意した。

 セットアッパーという立場上、登板試合が多く、シーズン終盤ともなれば疲労からフォームも崩れがちだ。そんな時でも下半身に安定感があれば、乱れは最小限で抑えられる。同社の担当者も「足の裏の形は人それぞれで千差万別。自分の足の形に合ったソールの良さを感じてもらえれば」と、期待を寄せている。

 投球フォームも改造し、特にセットポジションで軽く折っていたひざを伸ばして立つなど、リニューアルしている。足もとから、フォームから、大幅な変化を取り入れて終盤のマウンドに立つ。【福岡吉央】

 [2010年2月26日11時6分

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