<西武2-1ロッテ>◇20日◇西武ドーム

 西武は効果的なソロ2発で、わずか3安打ながら逆転白星を飾った。1点を追う7回、新選手会長の3番中島裕之内野手(27)がセンターへ1号同点弾。さらに新外国人の5番ディー・ブラウン(31=ドジャース3A)が決勝弾を放った。好投の成瀬を攻略し、2人で練習していた本塁打パフォーマンスもバッチリ決めた。昨季沢村賞の涌井秀章投手(23)は8回1失点と粘投、2年連続で開幕戦白星を挙げた。

 新選手会長が停滞ムードをひと振りで変えた。成瀬の前に沈黙していた7回、先頭中島が豪快なフルスイングで同点弾。滞空時間の長い打球がバックスクリーンに飛び込むと、満員の西武ドームが歓喜で沸き上がった。「試合も終盤に入って逆転する流れをつくりたい、勢いをもってこようと思って打席に入った」という狙い通りの1発だった。

 ベンチに戻ると、笑顔で待ち構えていた新外国人ブラウンと踊り出した。体の前で手をたたき合い、腰をそらせたギターの弾きマネのパフォーマンスの呼吸ピッタリ。発案者はブラウンで「タイトルは“ロックスター”。2人でこっそり練習してたんだ」と明かした。

 ブラウンは米国でも得意にしていた本塁打パフォーマンスを披露すると、開幕戦の緊張も解けた。1死後に、右越えへ決勝ソロアーチ。「ボール球が3つ続いた後だから直球がくると思った。野球をやってきた15年間で、一番印象に残る日になったよ」と思い出深いデビュー戦に感激した。

 おおらかな性格の中島は外国人選手に好かれる。英語は得意ではないが、世界共通の笑顔とボディーランゲージで、すぐ仲良くなる。特に新外国人には率先して声をかけ、キャンプからパイプ役に。開幕2日前、焼き肉店で行った決起集会ではブラウンとシコースキーのテーブルに座り、世間話で盛り上がった。「中島が打ってハッピーな気持ちになった」というブラウンが、パフォーマンスの相手に指名したのも偶然ではなかった。

 エース涌井を立てて負けられない開幕戦で、劣勢の接戦を制した意味は大きい。渡辺監督は「走者が出ればなんとかなると思ってたけど、完ぺきに抑えられていたので、効果的な2発で勝ててよかった。理想的なゲーム」と満足げ。特にブラウンに関しては「開幕から何打席も打てないで悩むのが怖かった。力もあるので、これからもやってほしい」と期待をかけた。名実ともにチームリーダーの中島と、期待の新外国人のアベックアーチで、V奪回へ最高のスタートを切った。【柴田猛夫】

 [2010年3月21日9時9分

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