<西武2-1ロッテ>◇20日◇西武ドーム

 土壇場で見せた底力が、エースの投球だった。西武涌井秀章投手(23)は11三振の一方で7安打4四死球、球数は145球に達した。スタミナ自慢の右腕も「珍しく疲れました。いっぱいいっぱいでしたけど、勝てて良かった」と苦笑いしたほど。神経をすり減らしながら、粘り抜いた。3回無死満塁など再三のピンチを切り抜け、失点を西岡の適時二塁打による1点でしのいだ。

 特に4番金から4打席連続三振。1打席目に、ストライクゾーンから体スレスレに切れ込むシュートで内角を強烈に意識させた。19日は「走者をためなければ怖くない」と豪語していただけに、「あれで打たれたらダサイなと思った」と胸を張った。渡辺監督は「金との対戦には男を感じた」と新戦力を封じた力投を称賛した。

 試合後には投手戦を演じた横浜高で1学年先輩の成瀬から「さすがです。ナイスピッチング」とメールをもらい、健闘をたたえ合った。【亀山泰宏】

 [2010年3月21日9時8分

 紙面から]ソーシャルブックマーク