<巨人5-10ヤクルト>◇27日◇東京ドーム

 ニュー由規が強力打線に立ちはだかった。ヤクルト由規投手(20)が8回5安打1失点と快投し、チームに今季初白星をもたらした。プロ入り最多の135球でプロ初完投は逃したが、26日の開幕戦でエース石川が10安打を浴びてKOされた巨人打線を手玉に取った。「最初にしては、出来過ぎかな。完投したかったけど、勝ったことがうれしい」と、09年7月4日阪神戦以来、266日ぶりの白星に満面の笑みを浮かべた。

 初回、先頭の坂本に6球オール直球で挑み、三ゴロに打ち取った。「持ち味は真っ向勝負なので」。150キロ台を連発し、スライダーは打者の手元で鋭く曲がり落ちる。6回に小笠原に1発を浴びたが、長打はその1本のみ。中盤、直球が140キロ台に失速しても伸びは衰えない。「コースを狙わなくても(打者が)打ち損じるようになった。理想に近づいてきた」と自らボールの成長を実感した。

 初の海外武者修行でパワーアップした。1月中旬、米アリゾナ州の施設で自主トレを敢行。年明けに約15万円で購入したビデオカメラを持参し、同施設を使用するレッドソックス松坂の練習風景を撮影して参考にした。休日にはネーティブアメリカンの聖地とされるセドナに出かけ、ここでも同地の象徴とされる赤い岩肌の「ベルロック」を携帯電話のカメラで撮影。待ち受け画面に設定し、常にパワーを感じている。

 次世代のエースは、2ケタ勝利を今季の目標に掲げる。「ジャイアンツに勝てたのは自信になる。1度きりじゃなくて、継続していきたい」。神聖な力も味方に、白星を積み重ねる。【由本裕貴】

 [2010年3月28日8時58分

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