<ロッテ6-1楽天>◇30日◇千葉マリン

 ロッテの若きエース唐川侑己投手(20)に、最後の最後に試練が待っていた。09年5月10日楽天戦(千葉マリン)以来2度目の完封まであと2人に迫った9回表1死一、二塁。楽天リンデンにこの日初の四球を与えて満塁とすると、続く中村紀に2球続けて同じ外角へ投じた直球を中前へ運ばれた。「完封を狙っていたので本当に悔しい」と、痛恨の一球にガックリ肩を落とした。その直後に投手交代を告げられ、2試合連続完投も逃してしまった。

 西村監督は「まだ若さがある。守りに入ったかな」と指摘した。前回登板した22日の西武戦も5回まで完全ペースながら、6、8回に失点。体力的にも精神的にも詰めの甘さは残るが、それは20歳の本人が一番分かっている。「次こそは完封したい」と力強く言い切った。

 プロ3年目を迎え、投球だけでなく私生活も「本物」を追求している。身につける洋服やアクセサリーは高級ブランドを選び、車もGTRに買い替えた。周囲の目も徐々に変わってきた。昨年まで山手線に乗っても「誰にも気づかれなかった」と言うが、最近は青山通りで買い物していると声を掛けられるまでになった。1年ごとに「本物」に近づく唐川が、開幕2連勝でチームにしっかりと貢献した。

 [2010年3月31日9時42分

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