<日本ハム0-4西武>◇4日◇札幌ドーム

 日本ハムが屈辱の“珍事”を記録し、西武に敗れた。4回、陽の併殺打を一塁手中村剛也内野手(26)が捕球ミスして走者が残ったが、その後高橋が再び併殺打に倒れた。1イニング2併殺打は、パ・リーグでは48年ぶり2例目。3日にダルビッシュの好投で連敗をストップしたが、一夜明けて今季初の完封負け。開幕4カード連続の負け越しで、借金は再び6にふくらんだ。

 昨季王者の“低空飛行”は、48年ぶりの珍事に象徴されていた。皆既日食並みの希少な光景が繰り広げられたのは、3点を追う4回だ。無死一塁の場面で、今季初めてスタメン起用された陽が二塁ゴロ。二―遊―一の併殺…かと思われたが、一塁中村がまさかの落球で“生き伸びた”のがプロローグだった(記録は併殺)。

 続く稲葉が中前打を放ち、1死一、三塁と「タナボタ」のチャンスは広がったが、大声援に後押しされた高橋は、最悪の遊撃併殺打。62年の南海以来となる、1イニング2併殺打を記録し好機を逸した。梨田監督も「記録?

 あんまりいいことじゃないね。点差を考えると打たせていくしかないし、しょうがないけど。チグハグ?

 たしかにね」と苦笑いを浮かべるしかなかった。

 打線をテコ入れした。5番で固定していた糸井を7番に下げ、最近5試合で19打数6安打と好調な小谷野をクリーンアップへ。左腕の帆足対策として組んだ新打順だったが、結果は今季初の完封負けに終わった。6回2死満塁の好機にも小谷野が三振を喫するなど、打線は依然かみ合わない。「その方がいいかと思って右を並べてみたんだけど、効果がなかったね」。8回には抗議のためにベンチから飛び出してスタンドから拍手を浴びた指揮官も、試合後は力なく振り返った。

 ダルビッシュの力投で1度は止まった「連敗時計」の針は、再び黒星を刻み始めた。梨田監督は「1、2点取れれば違っていたと思う。みんなで頑張っていきたい」。屈辱の珍現象を、復調への起爆剤とするしかない。【本間翼】

 [2010年4月5日11時36分

 紙面から]ソーシャルブックマーク