<巨人2-3阪神>◇14日◇東京ドーム
投げても久保、打席でも久保だ!
阪神先発久保康友投手(29)が、ロッテから移籍後初めて巨人から勝ち星をもぎ取った。投げては、丁寧な投球で強力打線相手に7回5安打1失点と粘投。打っては7回、送りバントのサインを自らの判断でプッシュバントに切り替え、遊撃内野安打で出塁。得点にはつながらなかったが、8回の勝ち越しにつなげた。
右翼席から響く大声援は、聞こえない。久保は全神経を指先に集中させた。試合の明暗を分けた1球。最大の危機で最高のボールを投げ込んだ。
1-1の6回だ。先頭の1番坂本に三塁強襲安打を許し、自身のけん制悪送球で1死三塁。3番小笠原をカウント1-3とし、迷わず歩かせた。「ラミレスの方がゲッツーを取りやすいと思って」。1死一、三塁。4番ラミレスへの2球目。外角へ逃げるスライダーで引っかけさせ、遊ゴロ併殺を完成させた。思わずガッツポーズ。土壇場での集中力が宿敵封じを導いた。
久保
開き直っていた。ゲッツーを取れたらと思って。イメージ通り。
城島
自分のミスで招いたピンチでベストボールを投げた。1番ゴロを打たせる確率が高いボールを選んだ。ナイスボールです。
努力のたまものだ。久保は趣味も野球に生かす。練習外の時間、暇を見つければ、自宅から西宮市内の甲山森林公園に向かう。園内には主要園路に加え、軽登山道(約6キロ)が整備されている。だが、ただトレッキングするだけではない。
久保
3つぐらいコースがあって1時間程で回るんですが、細かい部分を見るようにしています。あ、葉っぱの色が変わったな。あ、ツクシが生えてきたな、とかね。野球でも打者に打ち気があるか、ないかに気づくのは大事ですから。
マウンドで結果を出すため、洞察力、集中力を磨く毎日。あえて騒音の中で汗を流すこともある。「わざと、ザワザワうるさい甲子園でトレーニングしたりします。周りの音を気にして、意識が外に向かないかをチェックするんです」。そんな鍛錬を続けるからこそ、最大のプレッシャーがかかる場面でも集中できる。
立ち上がりから丁寧に低めを突き、7回を5安打1失点。粘り強い投球が打線を奮起させ、2勝目をゲットした。7日巨人戦(甲子園)では小笠原に1発を浴び、6回3失点で負け投手に。1週間後にリベンジをかまし、いまひとつ流れに乗れない虎先発陣に光をともした。「巨人?
あまり意識しなかった。投げミスを気にしたら腕を振れない。自分のピッチングをすることを考えた」。冷静に発揮できる集中力が、頼もしい限りだ。
[2010年4月15日11時16分
紙面から]ソーシャルブックマーク



