<中日7-4横浜>◇15日◇ナゴヤドーム

 オレ竜のエースが本拠地初勝利だ!中日吉見一起投手(25)が横浜打線を9回途中まで完封ペースに封じる快投を披露した。1死二塁からスレッジの打球を右ひざ付近に受けて降板し、プロ7度目の完封は逃したが、今季2勝目を挙げた。先発投手が打ち崩される負の連鎖を食い止め、チームを首位タイに踏みとどめた。

 頼れる男が戻ってきた。ナゴヤドームで3度目の先発となった吉見が、ようやく本拠地初勝利。今年初めてのお立ち台で、何度もスタンドに手を振った。

 「責任を感じていた。中継ぎ任せの試合が多かったので、きょうは早い回で降板しないよう、最低限のことはしようと思っていた。先のことは考えず、1人1人無心で打ち取っていこうと思って投げました」

 8日の横浜戦以降、先発陣が崩れる試合が続き、リリーフ陣に負担がかかっていた。自身も前回の巨人戦では6回4失点。この日は何としてでも中継ぎ陣を休ませたかった。

 フォームを微修正したことが直球のキレにつながった。これまでの3試合は、投球時に左足を上げる際、タメを作ってから前に足を踏み出していたが「力がゼロになってしまうので、次からは完全には止めないようにする」と、フォームを変えた。直球の最速は144キロまで上がり、低めをつく変化球とのコンビネーションも復活。奪った25個のアウトのうち、14個を内野ゴロ(1併殺含む)という吉見らしさを取り戻した。

 この日の大方の先発予想はバルデスだった。吉見が今季初の中5日で起用されたのは、4カード先の巨人戦に中6日で臨む可能性があるためと考えられる。それでも「余計なことを考えずに試合に入れた」。完封ペースの投球には、落とし穴が待っていた。9回、あとアウト2つの場面でスレッジの打球が右ひざ付近に当たり、途中降板した。平然とヒーローインタビューを受けるなど軽傷とみられ、今後も先発の軸としての期待がかかる。

 キャンプ初日の2月1日。吉見は帽子のツバの裏側に3文字のアルファベットをマジックで書き込んだ。「KSR」。家族3人の名前、一起、聡子、嶺(りょう)の頭文字だった。「やっぱり家族あっての自分ですし、いつも支えてもらっているんで、励みにしたいんです」。お立ち台で手を振った先に見えたのは、愛する家族の姿。吉見家を支える大黒柱は、チームでも先発陣の大きな柱として頼れる存在だ。【福岡吉央】

 [2010年4月16日12時18分

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