<広島8-7中日>◇17日◇マツダ

 落合中日が歴史的な敗戦を味わった。広島に連日のサヨナラ負け。同一カード2試合連続サヨナラ負けは85年以来、球団25年ぶりの屈辱となった。4回表で7-1と楽勝ペースだったが、6年ぶりに6点差の逆転を許すおまけもついた。落合博満監督(56)は、今季6番で起用していた井端弘和内野手(34)を2番に戻し、左足が万全ではない荒木雅博内野手(32)の守備を見て、試合中に二遊間を入れ替えるなど、手を尽くしたが、追加点が遠かった。

 前夜に見た光景が、またも目の前で繰り返された。前日の浅尾に続き、この日は高橋が打たれ、2試合連続のサヨナラ負け。積極的なオレ竜采配も、この日は実らなかった。

 落合監督はこの日、今季6番で起用してきた井端を、初めて2番で起用した。昨年までの1、2番「アライバ」コンビの復活。これまではセサル、藤井ら2番打者がなかなか出塁できず、森野は4割以上の打率を残しながら、18試合でわずか9打点だったが、この日は2番に起用した井端が3安打の活躍で、森野も6打点。早速、オレ竜采配が吉と出たかにみえた。

 試合中も積極果敢に動いた。初回、二遊間に飛んだ末永の打球を荒木が捕球。ボールを握り直して一塁に投げ、判定がセーフになると、2回裏からは、コンバートさせたはずのアライバのポジションをチェンジ。左ふくらはぎを痛め、まだベストの状態ではない荒木は「あれはボールの追い方が悪かった」と振り返ったが、落合監督は荒木を、昨年まで守っていたなじみのある二塁に一時的に戻すことで守備隊形を整えた。

 「ベストの状態だったら負担はそうはかからないだろうけど、いろんなところに神経使わせるんだったら、1回ごまかしのきく所で。それだけ痛んでいるんだ」。落合監督は開幕前にも荒木、井端の1、2番コンビ解体や二遊間のコンバートについて「そのとき、そのときの状況でこちらが手を打っていかないといけない」と話しており、この日の采配はまさにそれ。今のチームの状態に見合ったベストの打順、守備位置で、目の前の勝利をつかみにいった。

 しかし、打線は最後まで追加点を奪えなかった。開幕から37回1/3連続自責ゼロの記録を作るなど、これまで安定感をみせていた中継ぎ陣だったが、この日は清水昭、高橋が打たれ、まさかの敗戦。6点差逆転負けは落合監督1年目の04年以来、6年ぶり。同一カードサヨナラ負けは25年ぶりの屈辱。貯金も3あり、慌てる状況ではないかもしれないが、何とも悔しさの残るゲームだった。【福岡吉央】

 [2010年4月18日11時36分

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