<阪神4-3広島>◇9日◇甲子園

 母とアニキのおかげです。阪神クレイグ・ブラゼル内野手(30)が来日4度目の2打席連続弾を広島前田健からかっ飛ばした。母の日にちなんでピンク色のリストバンドをはめ、打撃用手袋はアニキ金本に借りてパワーアップ。同点の7回にはマット・マートン外野手(29)が決勝2点適時二塁打を放ち、家族愛にあふれる助っ人コンビが強敵マエケンを倒した。

 帰りの通路で「ピンクパワー」と笑った。ブラゼルが、好投手の前田健から衝撃弾を2打席連続でぶっ放した。母の日にちなみ、リストバンドと疲労軽減用のチタンネックレスにピンク色を入れた。そして極め付きは打撃用手袋。金本が昨季使用していたものを借りた。しかも手首部分に妻ラニーさんの名前と「MOM(マム)」(母メアリーさん)の文字を黒のマジックでばっちり書き込んだ。

 「ピンクのブラ」が、勝利を包み込んだ。まずは2回。141キロの外角直球をジャストミートした。左中間に飛び込む先制の10号ソロだ。

 「強くたたくことができた。逆方向に意識して打てばいい打者としてやっていける」。

 それだけでは終わらない。4回に内角直球を右翼席にたたき込み、リードを広げた。2打席連発は甲子園では初めて。浜風を切り裂いた1発に「ラッキーなことにいい形で打てた」。ベンチ前のハイタッチでは打撃用手袋を貸した金本から、まるで“縁起物”のようにさすられた。貸し主のアニキも驚くピンクパワーだった。

 家族思いのB砲が、母の日に燃えないはずがない。昨夏に長男トロット君を出産したラニーさんに「妻にとっては初めての母の日。グラウンドで活躍できてよかった」。さらに米国にいる母メアリーさんにも「いつも100%、後ろで僕を支えてくれる」と感謝。アラバマ州モンゴメリーに住む母はラジオ局で働き、現在はソフトボールをしている。「僕よりも野球が好きなんじゃないか。僕よりも打率がいいかもね」。ダブルショットは、妻と故郷のママへの贈り物だ。

 同点の7回先頭ではあわや3連発となるフェンス直撃の右前打。マートンの勝ち越し2点二塁打を呼んだ。お立ち台では「球場に来ている皆さんも、奥さん、お母さんに大きなハグ(抱擁を)してあげてください」と大声で呼びかけた。母の日に突然現れた「桃色のブラ」が、甲子園と世の中にピンクパワーを振りまいた。【益田一弘】

 [2010年5月10日11時11分

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