<ソフトバンク2-4阪神>◇18日◇福岡ヤフードーム

 敗戦の中で背番号11が輝きを放った。ソフトバンク小椋真介投手(29)が自己最多11Kをマークし、6回2安打1失点と好投。9年前のプロ初登板の女房役、阪神城島からも2三振を奪った。同点のまま降板して勝ち負けはつかなかったが、ペース配分せずに1回から全力で投げる「ロケットスタート投法」の威力を見せつけた。同い年の杉内や和田に負けじと、交流戦でフル回転する。

 ありったけの力で、かつての正捕手をねじ伏せた。2回2死走者なしで迎えた城島との初対決。早くも汗で髪をぐっしょりと濡らした小椋が、全身全霊を込めて左腕を振り抜いた。カウント2-2からの5球目は、この日最速の148キロ。メジャーでも猛威を振るったバットに空を切らせた。6回2死一塁の第3打席でも再び直球で空振り三振。自己最多11Kをマークして「もっと投げたかった」と後ろ髪を引かれながらマウンドを降りた。

 成長を見せつけた。01年10月3日のオリックス戦、プロ初登板初先発で女房役を務めてくれたのが城島だ。先発初勝利を挙げたのはプロ12年目の今年4月。遅咲きの左腕が9年間で積み重ねた進歩を見せつけた。「(城島対策は)特に考えていない」。前日の言葉通り真っ向勝負を挑み、2打数無安打1四球に抑えた。

 小椋

 調子は良かったと思うけど、それは意識せずにいつも通りがむしゃらに投げた。チェンジアップも良かった。

 前回の反省が11Kを生んだ。9日の西武戦では6回途中4失点で今季初黒星。3番中島と4番中村の主軸2人を無安打に封じながら、伏兵にやられた。「意識が低かった」。だからこそ、城島ら特定の選手に気をとられないよう心がけた。「どの打者でも全力で投げた」。この日は偏りなく打者7人から三振を奪った。小細工を捨て、全員への全力投球を徹底した結果だった。

 持てる力を出し尽くし、5回終了後には右ふくらはぎがけいれんした。6回には140キロそこそこまでスピードは落ちたが、全力で投げ込む姿は球速以上のキレを感じさせた。本人は「勝己(山崎)のリードのおかげ」と謙遜(けんそん)したが、秋山監督は「真介がいい投球をした」とたたえた。左腕王国にもう1人、頼れるサウスポーが台頭してきた。

 [2010年5月19日11時54分

 紙面から]ソーシャルブックマーク