オレたちに負けゲームはない-。落合中日が誇るセットアッパーコンビ浅尾拓也投手(25)と高橋聡文投手(26)が交流戦中はリードされている場面でもフル回転する。森繁和ヘッドコーチ(55)が20日、明かした。接戦が多い上に日程が比較的楽な交流戦の特徴を利用する。1、2点のビハインドならば必勝方程式の2人をつぎ込んで逆転を狙う。初の交流戦制覇へ向けて全戦必勝態勢をとる。

 アッキー&タックン、あるいは拓也とタカPとでも呼ぼうか。格好よくてしかも頼もしい新ユニットが、オレ竜の辞書から「負け試合」の文字を消し去る。

 交流戦開幕から本拠地で4連勝を飾りながら、千葉で2連敗。再出発となる21日からの西武戦(西武ドーム)へ向け、森ヘッドコーチは交流戦限定の“秘策”を明かした。浅尾と高橋のWセットアッパーをリードされていてもつぎ込む全戦必勝態勢だ。

 「浅尾と聡文は負けていても使うよ。1点差、2点差なら逆転できる可能性もある。試合のない日に休めば(スタミナも)問題ないだろう」。セ・リーグ公式戦ではリードしている場面限定だった左右のセットアッパーをビハインドの状況でも投入していく。相手投手の情報不足のため大量得点が入りにくく、1カード2連戦で日程が楽になる交流戦の特徴をフルに利用したものだ。

 浅尾と高橋は開幕から抜群の働きを見せている。150キロの速球と鋭く落ちるフォーク、パームが武器の浅尾はここまで24試合に登板して、防御率0・67。本拠地ナゴヤドームでは1点も取られていない。また、浅尾よりも球質の重い150キロの剛球を武器とする高橋も23試合で4勝1敗、防御率0・75。同じく本拠地で1点も取られていない。巨人の山口と越智など他球団のセットアッパーと比べても数字は突出している。

 これまでならリードされている場面でセットアッパーは起用しにくく、さらに追加点を奪われて敗れるパターンが多いが、この2人が出てくれば相手に奪われる追加点は限りなく「0」に近くなる。逆転の可能性も広がる。実際、18日ロッテ戦では浅尾が1点差、同19日には高橋が2点差の場面で登板した。

 「準備するのはいつもと変わらない。失敗する確率を減らしたいです」。西武ドームで汗を流した浅尾は交流戦フル回転へ意欲を見せた。高橋も「負けていても?

 そうですか。体力的には全然問題ないです。交流戦に入って状態が上がってきました」と準備OK。初の交流戦制覇、そして首位巨人をつかまえるため、若き豪腕2人がフル回転する。【鈴木忠平】

 [2010年5月21日11時2分

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