首位西武に3連戦3連敗を喫したソフトバンクが21日、左手首骨折で2軍調整を続けてきた松田宣浩内野手(27)の緊急昇格を決めた。2軍戦出場はわずか2試合だが、22日の日本ハム戦(福岡ヤフードーム)に起爆剤の役を担い1軍合流する。また、20日の西武12回戦(西武ドーム)で左ひざを痛めた山崎勝己捕手(27)は今季絶望の重傷で、田上秀則捕手(30)の昇格も決まった。

 松田が緊急1軍復帰する。この日朝、22日昇格決定の報が松田に届いた。西戸崎合宿所での“最終調整”にも力が入る。マシン打撃やティー打撃、ダッシュなど精力的に動き、背番号5が抱負を語った。

 松田

 実戦2試合(16、17日)出たときより、シート打撃(18日)の方がよかったし、今日はさらによかった。とにかく、元気を出していきたい。結果を求めすぎてて小さくならないように、やっていきたい。

 復帰スケジュールは大幅に前倒しされた。22日からのウエスタン・リーグ阪神3連戦(甲子園)出場へ、この日兵庫入りする予定だった。左手首骨折後の試合出場は、2戦だけ。計5打数無安打に終わっていた。

 だが、1軍は前日まで4連敗。特に和田、杉内の両輪を立てた西武3連戦(西武ドーム)でまさかの3連敗。リーグ戦再開直後に陥った危機的状況を打開すべく白羽の矢が立った。

 鳥越2軍監督が説明した。「(1軍が)元気のある奴がほしいということ。ケガに関しては問題ない。宇宙人みたいな奴。松田に言ったこと?

 流れを変えてこい、と。松田はファームでも目立つ。自然と目がいく。この世界、おるかおらんか分からない奴はいらない」。5月8日に左手首の有鉤(ゆうこう)骨を骨折し、同9日に抹消された。だが、負傷3日後にはトレーニングを再開し、急ピッチで仕上げてきた。ノックでも声を出し、存在をアピール。まさに元気印だ。起爆剤を任されるのも当然の流れだった。

 22日の日本ハム戦でのミラクル復帰プランも夢ではない。三塁を守るオーティズが、6月13試合で1本塁打だけ。その間、46打数11安打(打率2割3分9厘)と調子を落としている。ペタジーニや松中がその日の状態で守備を回避していることを考慮しても、オーティズの再度の左翼起用を含め、三塁手としてスタメンに名を連ね、けん引役となるケースもありそうだ。

 「ケガを怖がったら結果は出ない。復帰する以上、痛みはない」。故障から1カ月半で、松田が帰ってくる。

 [2010年6月22日11時3分

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