<オリックス3-2楽天>◇6月30日◇京セラドーム大阪

 ベンチから岡ちゃんの指笛…ならぬ怒声が背中に飛んできた。「普通に打て~!」。打席のオリックス日高剛捕手(32)は「怒られてる…」とあわてて打撃プランを変更した。1点を追う9回無死二塁から日高が右翼席に逆転サヨナラ2ラン。闘将のおっかない一言が、試合を劇的に動かした。

 無死一塁から代走森山が二盗に成功。この時点で日高の頭は「引っ張って進塁打」。だがカウント1-2から、相手に見透かされたように外角低めに変化球を落とされてファウル。その瞬間、監督が叫んだ。

 会見で岡田彰布監督(52)は開口一番「普通にヒット打て言うたんよ。三塁に送るみたいな構えしとるから」と渋い顔。ただ、それまで3打席凡退だった日高に「打て」と信頼を寄せ、最高の結果で返してくれたのだから内心はうれしかった。劇弾の日高は「神が舞い降りた…」と興奮が収まらない。

 大きい勝ちだ。初登板の先発長谷川が5回1失点と好投しながら、打線が援護できず、逆に抑えの岸田が9回に勝ち越された。昨夜も「途中で寝たらアホやろ」と日本代表のシビれる戦いに見入った指揮官のタクトはさえていた。森山に盗塁させたのもサインだ。連勝で勝率5割に復帰し「(借金)2とゼロではえらい違いやからな」。最後まで勝ちに徹し、結果を出したオリックスの岡田監督も岡ちゃんに負けない勝負師だ。【柏原誠】

 [2010年7月1日11時4分

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