<オールスター:全パ1-4全セ>第1戦◇23日◇福岡ヤフードーム

 球宴「完全」デビューだ!

 ファン投票で両リーグ最多得票を集め、全セの先発を務めた広島前田健太投手(22)が、2回を無安打無失点に抑え、ベストピッチャー賞に選ばれた。自己最速タイの150キロを連発、前半戦最後に先発を回避した体調面の不安も一掃した。

 22歳が胸すく快投で球宴デビューを果たした。全セの先発を託された前田健は、1回から全力投球。ソフトバンク川崎を三振、ロッテ井口を二飛に抑えた後、西武中島への2球目。外角高めへの150キロ速球で空を切らせた。直後にも150キロでファウル…。大舞台で、4月21日阪神戦(甲子園)以来となる自己最速タイの球速を連発した。最後は147キロで詰まらせて右飛に仕留めた。

 2回を6人で片づける完ぺきな内容。パの強打者を力でねじ伏せた。「楽しかったです。全力で投げました」と笑顔を見せた。捕手を務めた巨人阿部は「150キロも出ていたし、あらためていい投手だなと思って受けていた」とたたえた。試合後ベストピッチャー賞も受賞した。前半戦最後の先発を回避し、回復に努めていたが、鮮やかな投球を披露。「(体の状態は)これでもう大丈夫です。(受賞は)予想してなかったです。おまけみたいなものですね」。夢心地の17球を投げきり、後半戦に向けて弾みをつけた。

 [2010年7月24日9時11分

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