阪神クレイグ・ブラゼル内野手(30)が、3日巨人戦(東京ドーム)で難敵を1発で打ちのめす。巨人は初戦に「虎キラー」セス・グライシンガー投手(35)を投入。右ひじ手術から今季初登板となる右腕には昨季0勝4敗と苦しめられた。ただ、その中でブラゼルは16打数5安打と好相性を誇る。4番新井貴浩内野手(33)も東京ドームは打率4割4分6厘の好相性。首位攻防戦は先手必勝。頼れる4、5番が後半戦無傷の5連勝を呼ぶ。

 息詰まる中日3連戦を終えても、新幹線で決戦の地へ乗り込むブラゼルに疲れの色は見えなかった。「何が起こるか分からないからね。何点とっても安心できない」。長期ロードの1カード目は東京ドーム。空中戦必至の敵地だけに、自らのバットで大量得点を奪うことを誓った。

 今季東京ドームでの本塁打は鳥谷と並ぶチーム最多の3本。7月4日には、天井に打球を直撃させた。1発で形勢を逆転させることも可能。規格外の飛距離は、打者有利と言われる球場では大きな武器になる。

 投壊傾向にある巨人も、この1戦にかけている。初戦にグライシンガーを投入予定。08年から8連勝中、昨季0勝4敗の大いなる天敵だ。そんな中、ブラゼルは16打数5安打。苦手意識とは無関係だ。「去年は去年。今年は違うからね。明日の投球を見てからだよ」。あえて先入観を捨てて打席に立つ。08年4月5日に金本がアーチを浴びせて以来、チームは285打席ノーアーチ中。「ジンクス打破」へ本塁打争いでラミレスを1本差で追走する助っ人への期待感はおのずと膨らむ。

 5番の前、4番に座る新井も巨人戦にはめっぽう強い。対戦成績は打率3割9分2厘、東京ドームに限れば4割4分6厘まではね上がる。「誰が相手でも、しっかりタイガースの野球をするだけ」。チーム状態のよさを実感しているからこその言葉だ。

 上位との対決9戦の最初のカードを2勝1分けで乗り切った。後半戦は引き分けを挟んで4連勝とチーム状態は最高。ブラゼルも変化を感じている。「この1、2週間はみんな楽しんで笑顔でプレーしている。勝つことが一番だね」。勝てる集団には勢いがある。【鎌田真一郎】

 [2010年8月3日14時9分

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