阪神2軍が、ウエスタン・リーグで4年ぶり15度目の優勝を手にした。ソフトバンクが中日との最終戦に2-3で敗れ51勝44敗9分けとなり、50勝42敗12分けで日程を終えた阪神を勝率で上回れなかった。選手は練習後に待機していた西宮市の選手寮・虎風荘で朗報を受け取った。平田勝男2軍監督(51)は07年の就任以来初V。胴上げはなかったが「日ごろ必死にやったから、転がり込んできたんじゃないかな」と笑った。

 今季から「育成部」を新設し、フロントと現場が一体になって底上げを図った。キャンプ中には1人、1人にランクをつけ育成方針を確認。公式戦とは別に、独立リーグ、社会人との「育成試合」25試合を消化。故障選手や、若手選手の実戦機会の場を増やした。

 1軍昇格した上本、大和、秋山らの活躍が、励みになった。25日は坂が1軍で初のお立ち台に立った。平田監督は祝勝会のあいさつで「みんなとやっていた選手が、ヒーローインタビューを受けた。みんな絶対やれる。絶対やれるんだって!」と話した。

 普段は気さくな平田監督は、グラウンドで鬼になった。「野球の神様が絶対に見ている。なかなか笑ってはくれないけど、やってる選手はここっていうときに力を出しよる」。気を抜いたプレーをした選手には怒声を浴びせ、ときにはコーチにも声を荒らげた。緊張感がチームを成長させた。

 10月2日にイースタン王者ロッテとファーム選手権(ハードオフ新潟)で激突する。1軍もV戦線に踏みとどまっている。アベック優勝となれば5年ぶり4度目だ。【鎌田真一郎】

 [2010年9月27日10時58分

 紙面から]ソーシャルブックマーク