<オリックス0-4日本ハム>◇28日◇京セラドーム大阪

 日本ハムの中田翔内野手(21)が、適時二塁打2本で今季最終戦を締めた。オリックス戦の2回、右翼線へ運んだ2点目の一打は、11日ソフトバンク戦以来23打席ぶりの安打に。6回にも左翼線へはじき返し、貴重な4点目をたたき出した。3年目の今季は、7月の1軍再昇格から9本塁打をマークするなど素材が開花。終盤は不振にあえいだが、クライマックスシリーズ(CS)進出を信じて天命を待つ。

 CS進出を懸けた最後の大一番で、呪縛(じゅばく)を解き放った。1点を先制し、なおも1死二塁の2回。中田が、右翼線へ適時二塁打を放った。9月11日ソフトバンク戦以来、実に23打席ぶりの安打。「(体を)開かずにおっつけて打つことができました。負けられない一戦でヒットが出てうれしいです」。6回にも左翼線へ適時二塁打を放ち、8月27日以来1カ月ぶりの複数安打も記録した。

 疲労の蓄積、相手バッテリーの厳しい攻めもあり、快音がピタリと止まった。「精神的にもきつかった。チームに貢献できない自分に腹も立った」。わらにもすがる思いで、バットも替えた。チームメートの森本に借りたのを最初に、ソフトバンク・オーティズには頼み込んでバットをもらい、同じタイプのものをオーダーした。

 この日の1打も、26日に西武中島からもらったバットから生まれた。890グラム前後で、自身のバットより約40グラムも重いが「フリー打撃で打ってみて、スイングがイメージできた」と、すぐに本番でも手にした。「これだけ(安打が)出ていないんだから、今日くらい1本出るやろ」。精神的な開き直りも、好結果につながった。

 祈る思いでロッテの結果を待つ。「ここまで来たからには(CSに)行きたい」。9本塁打を放った3年目のシーズンには、まだ続きがある。【本間翼】

 [2010年9月29日11時26分

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