優勝目前の中日落合博満監督(56)が異例の直接指導だ!

 2位阪神が敗れ、中日に優勝マジック1が点灯したこの日、阪神横浜戦に先駆けてナゴヤドームで行われた練習で、投内連係の動きのまずかった一塁ブランコに身ぶり手ぶりでアドバイス。今季最終戦となる10月2日のヤクルト戦を前に、1戦必勝の熱い思いを注入した。

 黙ってはいられなかった。一塁ゴロを二塁に送球し、3-6-3の併殺打を成立させようとしたブランコが、ベースカバーに入った投手と交錯しそうになると、ネット裏で様子を見守っていた指揮官は突如、一塁に歩みを進め、声を張り上げた。「自分で声を出せ。お前が声を出さなきゃ(ベースカバーに入る投手と)重なるだろ!」。接戦が予想されるヤクルト戦を前に、掲げてきた「守り勝つ野球」を改めて徹底させた。

 監督はその後も、約10分間、ブランコの動きを逐一チェック。監督の声を受け、森ヘッドコーチや辻総合コーチも続々とブランコにアドバイスを送った。投内連係終了後には、ノッカーだった渡辺内野守備走塁コーチもブランコのもとを訪れ、細かな動きを徹底。今季14失策のブランコも「ハイ、ワカリマシタ」と素直にうなずいた。

 監督がブランコにグラウンドで守備を直接指導したのは春季キャンプ以来、約7カ月ぶりのこと。5月28日にヤフードームで行われた練習で、自らノックバットを握り、森野、荒木にノックを行って以来、封印し続けていた守備の直接指導をついに解禁した。落合監督はマジック点灯にも手綱を緩めず、最終戦も勝って、ナゴヤドームで宙に舞ってみせる。【福岡吉央】

 [2010年10月1日10時32分

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