<広島5-0阪神>◇1日◇マツダスタジアム

 静まり返った三塁側ベンチで、阪神真弓明信監督(57)はグラウンドをじっと見つめた。金本が三振に倒れ、5年ぶりのリーグ制覇が夢と消えた瞬間、少し腰をかけてから、立ち上がった。前夜、藤川球が逆転弾を浴びてチームは勢いを失った。一夜明けて初対決の広島ソリアーノに4安打完封負け。「初モノに弱いというか、みんな、タイミングが合っていなかった」。両リーグトップの打率を誇る打線が沈黙し、力なく振り返った。

 05年の優勝以降、9月以降に勢いが止まるケースが目立つ。ここ一番のもろさ。真弓監督はその課題に取り組んできたが、解消できなかった。「短期決戦のようなところで、もうひとつ勝ち切れなかった。その反省を今後に生かしたい」。この日も1回無死一、二塁の好機に、3人で315打点を誇るクリーンアップが凡退。シーズン終盤で失速した強力打線を象徴するような展開で0を並べた。

 悲願であるクライマックスシリーズの甲子園初開催へ向けて、2位確保に全力を尽くさないといけない。残り5試合。「目標を切り替えてというか、まだまだ1つ1つ勝っていく」。真弓監督は自分に言い聞かせるように話していた。

 [2010年10月2日11時14分

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