主砲が「町田イズム」で30発!!

 広島は30日、日南市内の天福球場で秋季キャンプを開始した。4番の栗原健太内野手(28)は新任の町田公二郎打撃コーチ(40)から初指導を受け、内角打ちのヒントを伝授された。今季は右手首骨折の影響などで15本塁打にとどまった栗原が来季は自身初の30本塁打を目指す。

 主砲がバットを持ってグラウンドに現れると、町田コーチが歩み寄った。身ぶり手ぶりで初指導。5分、10分…。スイング直前の右ひじの使い方を重点的に熱血レッスン。日南キャンプ初日から精力的に動いた栗原は充実した表情で言う。

 「インハイの球がどうしても弱い。苦手なので、バットの軌道というか、ひじが落ちないよう、前に出せるようにね」

 今季、内角高めを攻略する際に両腕の使い方が窮屈になり、右ひじが下がって遠回りする動きが出てしまったという。阪神で2軍打撃コーチを務めていた同コーチはテレビで栗原の打撃をチェックしていた。スコアラーからはデータを取り寄せて弱点を探った。同コーチは「キャンプの最初なので、どういう方向性で行くか話し合った。中心としてしっかりやってもらいたい」と語った。

 初日から4番に密着指導するのは期待の裏返し。26日の就任会見でも「30、40本塁打を打つのは難しい。栗原くらいですか」と言った。アーチ量産は得点力アップに欠かせない。栗原は右手首骨折で長期離脱し、シーズン15本塁打に終わった。それだけに巻き返しへの気持ちは強い。

 「入団したときからの持ち味。それくらいの気持ちで臨んでいますから」。レッスン直後のフリー打撃では、来季用いる低反発の公式球で初打ち。それでも左翼へ柵越えを連発した。これまでは07年の25本塁打が最高。現役時代、代打本塁打20本のセ・リーグ記録を樹立した同コーチの指導で、スケールアップをもくろむ。【酒井俊作】

 [2010年10月31日11時30分

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