阪神はFA選手との交渉解禁日となった18日、楽天からFA宣言した藤井彰人捕手(34)と大阪市内のホテルで獲得交渉にのぞみ、手応えをつかんだ。2年総額1・2億円(金額は推定)を提示し、前向きな姿勢を示された。次回交渉日の22日には、真弓明信監督(57)が出馬予定。いよいよ「虎の藤井」が誕生する。

 虎の電撃アタックが恋人のハートを貫いた。FA選手との交渉解禁日となった18日。高野球団副本部長と黒田編成部長が早速、楽天からFA宣言した藤井獲得へ動いた。大阪市内の高級ホテルを舞台に1時間の交渉。熱意は伝わった。藤井は慎重に言葉を選びながら、素直に喜びを口にした。

 「うれしい話です。向こうの都合もある中ですぐに来てくれたのはうれしい。球団の方から力のこもった言葉を頂いた。前向きに考えさせてもらおうかなと思いました」

 2年総額1・2億円(金額は推定)を提示された。今季の推定年俸4000万円を大きく上回る条件もさることながら、熱い言葉が胸に響いた。「藤井君をどうしてもほしい、タイガースに力を貸してほしい」。城島が左ひざを手術し、来季開幕戦出場が絶望的な状況。非常事態に陥った虎の救世主になれる存在だけに、首脳陣の期待も大きい。

 黒田編成部長

 現場に話したら、監督も「行けるなら行ってください」ということで即決だった。肩も強い、守れるキャッチャー。

 近鉄時代に指導経験がある真弓監督が、教え子の獲得を後押ししていた。08年には岩隈とのコンビでベストバッテリー賞を受賞しており実績十分。本人は「打撃は期待されていないと思う。守りの部分だと思う」と役割を認識済み。守りを重視する指揮官と、意思疎通はバッチリだ。

 そもそも虎とは縁がある。出身は東大阪市。実は虎党だった。

 「それを重視するわけではないけど、生まれ育った大阪というのはある」

 さらに指揮官は他でもない真弓監督だ。

 「近鉄時代はヘッドコーチとしてお世話になった。特に打撃を教えていただいた。小さいころから阪神ファンで(現役時代から)すごく応援していた。すごくおおらかですごく男前」

 小さいころから応援し、ベタぼれする指揮官が率いるチーム。魅力を感じないはずがない。現時点で他球団からオファーはなく、楽天と交渉する予定もない。黒田編成部長は「(感触は)80から90ぐらい」と手ごたえを隠さなかった。

 100%まで残り10から20。勝負の一手は必殺技を繰り出す。次回は22日に大阪市内のホテルで交渉予定。球団納会前に真弓監督、南球団社長、沼沢球団本部長のトップ3が“ダメ押し出馬”し、一気に交渉をまとめる。決断の時期を問われ、藤井は「自分の気持ちが固まれば、すぐにでもと思っています」と答えた。『虎の藤井』誕生が秒読み段階に入った。

 [2010年11月19日11時26分

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