オリックスが西武からFA宣言した細川亨捕手(30)の争奪戦に電撃参戦することが19日、分かった。捕手補強は岡田彰布監督(52)も予告しており、球団がこの日、細川サイドにアタックを始め、22日に都内で交渉する方向で調整中。すでにソフトバンクと横浜が交渉を済ませたが、大逆転へ勝負に出る。

 陽動作戦を得意とする岡田オリックスがFA市場でも奇襲をかけた。オリックス球団関係者によると、この日細川に本格的にアプローチをかけ、獲得意志を表明した。FA申請が締め切られた16日に村山球団本部長は基本的にはFA補強に消極的な姿勢を示した一方「ただ必要があれば行くかもしれない」と完全否定もしなかった。わずかに残していた奇襲プランが現実の形になった。

 日高がFA宣言せず残留したものの捕手は6人。岡田監督は「絶対数が少ない。ケガの多いポジションやし、もう1人くらい絶対いるわ」と補充の必要性を訴えていた。高知・秋季キャンプ中には西名球団社長と補強策を協議。楽天藤井は阪神と相思相愛と予測し、細川にターゲットを絞った。

 この日、横浜と交渉した細川は前日18日にソフトバンクと交渉。いの一番に4年総額推定5億円超プラス出来高払いの好条件を提示され、同球団首脳は獲得に強い自信を見せた。23日にもソフトバンクと2度目の交渉が予定されており、秋山監督も出馬予定。そこで合意する可能性も浮上している。オリックスの出遅れは必至だが、その分、他球団の提示条件をある程度入手できたメリットはある。現在、オリックス本社サイドと提示条件を調整中。岡田監督の出馬など、あらゆる「秘策」を検討し、一気の大まくりを目指す。

 [2010年11月20日11時18分

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