ダメなら文句言います-。阪神久保康友投手(30)が女房役のジョーに激辛エールを送った。体力測定が行われた21日、今季チーム最多の14勝を挙げた右腕は、シーズン終了後に受けた左ひざ手術の影響で来季開幕戦出場がピンチに陥っている城島健司捕手(34)に対し、久保流のジョークを交えながらゲキを飛ばした。

 信頼しきっているからこその、熱いエールだった。久保は今季、自己最高のシーズン14勝へと導いてくれた女房役に対し、冗談とも本気とも取れる口調で、一気にまくし立てた。

 久保

 まずは焦らず、確実に治してほしい。と言うか、帰って来たら結果を出してもらわないと。(結果を)出したら文句は言いませんが、出せなかったら文句を言わせてもらいます。

 シーズン後に左ひざ手術を受け、全治6カ月で開幕戦出場に黄信号が灯った城島に対し、久保は1歩も引かない構えだ。年齢は城島の方が4つ上。それでも言うべきことは言う。マウンド同様、強気な姿勢を崩さなかった男は「(結果が出なかったら)絶対に(文句を)言います」とはっきり言い切った。

 実は以前にも1度だけ、久保は城島に対して牙をむいた?

 ことがある。今年6月12日のロッテ戦(千葉マリン)。久保は古巣相手に8回2死まで無失点投球を続けていたが、今江に2球連続直球を投げ込み、右中間席へソロ本塁打を献上。今季初完封を逃した。

 ベンチへ戻ると城島が謝罪に訪れたが、腹の虫が治まらなかった?

 久保はヒーローインタビューで「あそこは(城島さんが)僕が嫌がっていたボールをずっと要求していた。今日は城島さんが悪かったと思います」と冗談交じりにスタンドの笑いを誘った。すべてはバッテリー間に厚い信頼関係が築かれているからこそ。今回の言葉も、いわば久保流のジョークを交えた“お見舞い”というわけだ。

 チーム内でも1、2というほどのプロ意識を持つ男は、もちろん最悪のケースも想定している。城島が開幕に間に合わなかった際の代替捕手について「慣れた捕手じゃないからダメというのは、プロとしてはダメ。それはお互いが損をする」と話した。どんな苦境に立たされても、絶対に下を向かない。それもまた、早期回復を目指す城島へのエールに違いない。【石田泰隆】

 [2010年11月22日11時32分

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