Aクラスの極意、注入だ!
広島入団が決まっていた前巨人の豊田清投手(39)が22日、広島市内のマツダスタジアムで会見した。プロ18年間で、チームが4位以下に終わったのはわずか1度。年俸は昨年の1億7500万円から2000万円プラス出来高に大幅ダウンとなったが、勝ち方を知る右腕がカープを変える。
西武の黄金期を築いた名ストッパーが、来季からカープに「常勝の鉄則」を伝える。巨人を自由契約になり、広島入りした豊田にとって使命の1つになりそうだ。チームは13年連続Bクラス。クライマックスシリーズにも縁がない。それだけに、豊田は前を向く。
「僕は入団してから、ずっと優勝争いをしているチームです。Bクラスは1度だけ。巨人に入って1年目(4位)です。やるからには上を目指さないといけない。やってできないことはない。優勝したいですね」
優勝するためにも貴重な経験則だ。戦力、戦術、チームのムード…。苦境で耐え抜く強い精神力も欠かせない。いわば優勝を宿命づけられた集団で投げ続けた経験は何物にも替えがたい。自身は「いまは自分のことで精いっぱいです」と話すが、周囲は放っておかない。率先して獲得を指示した松田オーナーは言う。
「修羅場をくぐっているから。『若いやつを教えてやってくれ』と言ったよ。若い選手は彼のすることから学ばないといけない。いること自体が勉強になる」
おとなしいタイプの投手が多いと指摘される広島投手陣にとっても、新たな刺激になる。来季はセットアッパーなどで起用される方針。同オーナーは「感情をあらわにした投球をしてほしい。西武のときの強い印象がある。巨人に行って、感情を抑える投球になった。ほえて、抑えて、喜んでくれたらいい」と続けた。
重量感のある速球と落差の激しいフォークを軸にして、制球力で戦ってきた。険しい形相で重ねたセーブ数は157個。この日、本拠地の客席でカメラマンから笑顔を求められても「僕は笑いません」と真顔で言った。その表情こそが、豊田の原点だ。「まだ現役で投げると思って練習していました。年齢は気にしていない。まだまだ投げられる、腕を振れるうちは現役一本でやりたいですから」。鬼が来た。来季は40歳。心の底から笑うのは、フル回転して、再び栄光をつかんだ瞬間でいい。【酒井俊作】
[2010年11月23日11時13分
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