ソフトバンクからFA宣言していた多村仁志外野手(33)が24日、福岡市内で球団と交渉を行い、残留で基本合意した。近日中に正式契約を交わし、発表される。もともと宣言残留を視野に入れてFA権行使していたが、福岡滞在中の優勝パレードや関係者からの慰留の声を聞く中で、方向を固めた。4年契約で年俸は変動制をとって、最大総額8億円前後とみられる。

 多村がホークス残留を心に決めた。この日、福岡市内で球団とFA残留交渉をもった。自らの評価を聞き、自分の胸に秘めていた思いも訴えた。いつしか、FA宣言した際に語った「価値観のズレ」は解消されていた。

 「まだ、正式契約ではないですが、ホークスでやっていきたい。もともと宣言残留というのを球団には約束していただいていた」。

 残留への思いは、福岡滞在中に強くなる一方だった。20日の優勝パレードに参加、21日には本拠地でファン感謝イベントに参加。ファンから届く「残って」の声が響いた。優勝パレードで乗ったオープンカーでは、王球団会長と隣り合わせの席を用意される配慮も心に染みた。さらに、22日に球団納会パーティー出席。ナインとも顔を合わせることが多かった。

 「周囲の人に、いつも声かけていただいてうれしかった。チームの人にも、いろいろと声かけてもらっていた」。

 条件面は他のFA選手と同様に年俸変動制がとられる模様。すでに、FA権を再取得するまでの4年契約は保証されている。年俸総額は最大8億円とみられるが、出場試合数などによって変動する方向だ。

 来季日本一を目指すチームにとっては、チーム打撃3冠に輝いたスラッガー流出が避けられた。多村はケガに弱いとされたレッテルも返上するなど、大きく成長を遂げた。細川獲得に続き、内川入団も決定的なことが判明。打線強化を目指す秋山ホークスが、日本一へ、着々と地盤固めを進めている。

 「今年はCSで悔しい思いをした。日本一になりたい」。

 福岡で、ホークスで、多村は、まだ手にしていない日本一の3文字をつかみに行く。

 [2010年11月25日11時26分

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