決意の師匠離れ!

 阪神岩田稔投手(27)が25日、今オフは単身トレに重点を置くことを決意した。05年に入団後は毎年、ヤンキース井川、ソフトバンク杉内らに師事し、10日間以上の合同自主トレでレベルアップを図ってきた。だが今年3月に左ひじを手術し、今季は1軍登板ゼロ。来季復活へ、弟子入りトレを卒業し、自己責任の精神で肉体を鍛え抜く。

 完全復活へ、岩田は師匠に頼ることなく、自らを追い込むことを決めた。過去5回のオフから変化をつけ、例年の慣例に別れを告げる。

 岩田

 今オフは基本的に鳴尾浜、甲子園でトレーニングするつもりです。

 今年3月に左ひじを手術し、シーズンを棒に振った。巻き返しに向け、重要になる自主トレ期間。その拠点を兵庫県に定めた。現在はリハビリ組の一員として、鳴尾浜で“延長”秋季練習に参加中。12月も引き続き、球団トレーナーの目が届く鳴尾浜、甲子園でトレーニングするところまでは決まっていたが…。

 昨オフまでの年末年始は、3年連続で兵庫・西宮市内の野球施設を利用していたが、今オフは大阪府内で体を動かす予定だ。年明けからは再び鳴尾浜、甲子園に戻り、1月中旬までの時間を過ごす。トレーナーにメニューを組んでもらうことはあっても、特定の選手を相方につけることは「ないと思う」。走り込み中心のメニューを単身で行う。

 大きな変化といえる。岩田はプロ入り後は毎年、「弟子入りトレ」を続けてきた。07年から2年連続でヤンキース井川に、09年からの2年間はソフトバンク杉内に師匠役をお願いし、同じ左腕の刺激を受け、年明けから10日間以上の合同自主トレでレベルアップを図ってきた。

 今回も自主トレ期間最後の数日間は杉内の合同トレ拠点、鹿児島・薩摩川内市内に足を踏み入れる予定。ただ、あくまで基本は単身トレで体を鍛える。この日、杉内に連絡を入れ、合同トレにほぼ参加できないことを報告。退路を断って、自分自身を追い込む。

 10月26日のフェニックス・リーグ巨人戦(久峰)では226日ぶりの実戦復帰を果たし、3回65球を投げ抜いた。高知・安芸の秋季キャンプもシート打撃で好投するなど完走。「どれだけ投げられるかも分からなかったけど、良いキャンプになりました」と手ごたえをつかんでいる。

 真弓監督も「力的にローテに入ってもらわんと困る投手」と期待する左腕。復活ロードは脇目も振らず、孤独に、地味に、己の力を信じて一心不乱に突き進む。

 [2010年11月26日12時4分

 紙面から]ソーシャルブックマーク