日本ハムのドラフト1位早大・斎藤佑樹投手(22=早実)が、マリナーズ・イチロー外野手(37)が所属する「バウ企画」(大阪市)とマネジメント契約を結ぶことが17日、分かった。近日中に本契約を交わし、正式発表される。斎藤に対しては水面下でマネジメント業務を行う会社など10社以上による争奪戦が繰り広げられていたが、家族会議を経て、この日までに決断した。あこがれのイチローと夢の“競演”は意外と近いかもしれない。

 斎藤が、イチローとともに、プロ野球人生のスタートを切る。「バウ企画」に在籍する選手はイチロー1人で、斎藤が2人目になる。母しづ子さんは「とても佑樹のことを大事に考えてくれている。スター性ではなくて、野球選手の斎藤佑樹を親身になって、一番に考えてくれている」と決断の理由を説明した。

 プロ1年目からマネジメント契約を結ぶのは異例だが、斎藤の注目度はこれまでのルーキーとは違う。水面下では大手マネジメント会社など、10社以上からオファーを受けていた。激しい争奪戦の中、最も野球に集中できる環境づくりを模索。家族会議を経て、最終決断に至った。しづ子さんは「みなさん佑樹のことをよく考えてくれて、とても感謝しています」と話した。

 斎藤にとってイチローは特別な存在だ。前回WBCが開催された09年、早大2年時には「いつかイチローさんや松坂さんと(日本代表で)一緒にやれたら」と夢を語ったことがある。「持っているのは仲間です」で流行語大賞特別賞に輝いた今月1日の授賞式では、斎藤が考える「持ってる選手」を「イチローさん」と即答。「WBC(決勝、対韓国)での最後のタイムリー、すごいなと思いました」と目を輝かせた。

 今後は、私生活や練習方法、試合に取り組む姿勢などのアドバイスをいつでも受けられる。来年以降、オフ期間はともに自主トレを行う可能性は十分。斎藤が投手を務めてイチローが打席に立つ。そんな夢の競演だって見られるかもしれない。

 将来大リーグ挑戦の夢を持つ斎藤にとって、メジャー球界のノウハウを持つ同社は大きな力になる。すでに日本ハムの球団幹部も了承している。今後はCMやイベント、テレビ出演など、オファー殺到が予想される。野球以外の面を含め、球団だけではサポートできない部分を支えていくことになる。

 近日中に正式契約を結び、年明けの新人合同自主トレ、名護キャンプに臨む。第1の目標とする「開幕1軍」に向けて、まずは野球に集中する環境を整えた。

 [2010年12月18日8時0分

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