虎のコバヒロ、20日にも誕生!

 阪神は19日、メジャー移籍を目指していた小林宏投手(32=ロッテからFA)と20日に大阪府内のホテルで入団交渉を行うことを発表した。真弓明信監督(57)が直接出馬して、一気に決着を目指す方針。昨季の日本一守護神が「8回の男」としてV奪回の使者になる。

 コバヒロへのラブコールが通じた。20日にも阪神小林宏が誕生する見込みとなった。FA右腕が24日まで予定する沖縄・石垣島での自主トレを一時中断し、大阪で電撃交渉。球団側は南球団社長、真弓監督の2トップが出馬して、一気に口説く。

 真弓監督

 何とかうまくいってタイガースのユニホームを着てもらいたいと思っています。(小林宏の)印象は悪くないんじゃないかなと思う。

 朗報はこの日、代理人を通じて届いた。球団側はメジャーを希望する小林宏に配慮して、長期戦を覚悟していた。支配下登録選手を68人として「コバヒロ枠」を確保。条件は2年契約で昨季年俸1億7000万円をベースに、ロッテ時代から背負う背番号「41」の提示も検討している。ただ、あくまで小林宏の意思を尊重して、待ちの姿勢を貫いていた。

 小林宏は、今月末までメジャー契約のオファーを待つ方針だった。24日の自主トレ打ち上げまで結論を出さない構えだったが、時期を前倒しして交渉に臨む。

 南球団社長

 いい方に解釈しています。タイガースにとって朗報と、現状について思っています。(24日以降を)待つつもりでいましたけど、いい方なので早ければ早い方がいい。直接お会いして、最後のつめをしたい。

 念願がかなった対面交渉。指揮官もありったけの熱意を伝える。すでにコバヒロ加入時にはセットアッパーとして守護神・藤川の前を任せる考えを示している。

 真弓監督

 ウチのチームとしては、働いてほしい大事なポジションで仕事をしてくれる選手だと思う。ウチが一番欲しがっているところなので、最初に会った時に(起用プランを)伝えてもいいかなと思います。

 ロッテを日本一に導いた守護神が「8回の男」として加入すれば、まさにV補強だ。昨季は藤川が58試合中8試合で8回途中から登板した。小林宏を獲得できれば、久保田、藤川と「KKKの方程式」が成立。勝負ゲームで敗れた昨季の悔しさを晴らすこともできる。

 真弓監督

 実際に、すごく、シーズンが終わった時からずっと来てほしいなということで、いろんなところから気持ちだけは伝えようとしていた。大リーグの関係で遅くなったが、前向きに何とか話していけばいいと思います。

 小林宏のFA宣言から約2カ月。待ち続けた恋人がタテジマに袖を通す瞬間は、もうすぐだ。

 [2011年1月20日11時1分

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