セ界のヒットマンも実験台?

 ロッテからFA宣言し、2年総額5億円で阪神入りを表明した小林宏投手(32)が、コバヒロ流調整法を貫く決意を示した。22日、沖縄・石垣島で行う自主トレを公開。2月のキャンプはこれまで通り実戦に重点を置き、マートンら好打者にガチンコ勝負で仕上がりをチェックする。

 迷いや不安はもうない。阪神入りを表明してわずか2日。球児、久保田とともに勝利の方程式KKKの一角を託される小林宏は、すでに2月キャンプの過ごし方について青写真を描いていた。

 「自分はあまり投げ込みをしないタイプ。だからブルペンで投げるより、実戦で打者相手に投げる方が楽しいし、好きなんです」。

 ロッテ時代から14年間継続し、貫いてきた独自の調整法。自覚と責任が問われる自己流で、先発としても抑えとしても結果を残し続けてきた。プロ通算74勝、29セーブ。それはいま、絶対的な自信となり、自身の支えとなっている。

 「実戦で打者に投げることで、見えてくるものがある。それがいい打者だとなおさらいい。いい打者は自分の間の取り方というものを持っているし、ストライク、ボールの見極めもしっかりしている。その辺で(自分の仕上がり具合を)確認することができる」。

 一般的に投手はブルペン投球で肩をつくり、打撃投手、シート打撃、紅白戦と順を追った調整を進める。もちろん、小林宏もスタートはブルペン投球からになるが、あくまでも重点を置くのは実戦形式。自信を持つ独自理論を貫き、開幕に向けた準備を進めることで、ロッテ時代のような活躍を目指す。

 そんな男にふさわしい相手が阪神にはいる。47発の大砲ブラゼル、3割打者の鳥谷、112打点の新井…。特に昨季、プロ野球記録のシーズン214安打を放ったマートンは格好の相手だ。「セ・リーグはパ・リーグと比べて(ストライク)ゾーンが広いから、打者のバットにあてる技術が高い。厳しいところもついてくるし、いい打者が多い」。コンパクトなスイングで安打を量産したマートンは、ボール球に手を出さないことでも有名。セ界のヒットマンを“実験台”に、ガチンコ勝負で自身の調整ペースを把握する。

 現在、キャッチボールの距離は約40メートルに伸びた程度だが小林宏は「だいぶん仕上がった」と笑顔を見せた。「とにかく今年1年、やってやるぞという気持ちでしかない。チームの優勝のために、精いっぱい投げる。個人の数字は気にしない」。あと9日後に迫った沖縄・宜野座キャンプ。自身の調整法に揺るぎない自信を持つ男は、極上ボディーを独自で作り上げる。

 [2011年1月23日11時17分

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