<ロッテ4-6楽天>◇12日◇QVCマリン

 ロッテ成瀬善久投手(25)が唯一の失投で、痛恨の一打を食らった。2年連続で開幕の晴れ舞台に立ったエースは「あの1球でゲームを壊してしまった」と天を仰いだ。同点の7回。嶋へ投じた104球目、137キロのストレートが、真ん中やや外よりの高めに浮いた。勝ち越しを許す3ランを被弾し「悔しいです」と肩を落とした。

 マリンの強風が、思わぬ敵となった。8メートル前後の風速で左翼から本塁方向に吹き、スタンドに当たって再び左翼に跳ね返る。「今日の風だとカーブをすくわれて、(左翼方向へ)運ばれる危険がある」。昨季のCSから解禁し、練習試合でも切り札的に投じてきた。110キロ台のカーブがないことで、打者は130キロ台の直球か、120キロ台のチェンジアップとスライダーに的を絞れる。「嶋さんには1、2、3で狙われた。あそこは注意深くいかないと…」と唇をかんだ。

 それでもエースの称号に恥じないピッチングだ。5回まで楽天打線に許したのは2本の内野安打のみ。4点を失ったが、9個の三振を奪った。「いろいろな思いを込めて上がった開幕戦のマウンドだった。野球ができる喜び、久しぶりに大観衆の中でのゲーム…。ファンの前で野球ができて楽しかった」。さまざまな思いが交錯したスタジアムで、成瀬が存在感を見せた事実は変わりない。【鈴木良一】