<オリックス2-2ソフトバンク>◇12日◇京セラドーム大阪

 ソフトバンク和田毅投手(30)があと2アウトで開幕戦の勝ち星を逃した。1点リードの9回裏1死から、オリックス3番後藤に右翼席へ痛恨の同点ソロを被弾。勝てば球団記録に並ぶ開幕戦3勝だったが、9回4安打2失点の力投むなしく勝敗はつかなかった。

 まさか、だった。1点リードの9回裏1死。それまでほぼ完璧な投球を見せていた和田が、1球に泣いた。3番後藤に投じた120球目。真ん中低めのチェンジアップは、顔をしかめる和田の願いもむなしく右翼3階席へ吸い込まれた。球団記録に並ぶ開幕戦3勝を目前にした、まさかの同点ソロ。9回4安打の好投むなしく大きな白星を逃し、唇をかみ、首を小さく横に振るしかなかった。

 和田

 勝ちの試合を振り出しに戻してしまった…。打たれたらすべて甘い球。

 開幕投手としての責任感で、完璧な投球を見せていた。この日投じた133球中、失投は8回にバルディリスに被弾した1球と、後藤に打たれた痛恨の120球目の、わずか2球だった。だが、味方の援護はわずか2点。大役を任された投手として、南海時代の杉浦、先輩の斉藤に並ぶ開幕戦3勝を気迫の投球でもぎ取りにいった。

 和田

 今は言葉が出てきません…。申し訳ないという気持ちだけです。

 本来は開幕第3戦の登板予定だったが、開幕延期が決定した18日に秋山監督から「頼んだぞ」と自身3度目の開幕投手を託された。過去2度は本拠地での開幕だったが、3度目は03年にプロ初登板を飾った敵地。例年は初登板前日に食べる尾頭付きのタイを、大阪に出発した10日の朝に可澄夫人が用意してくれた。指揮官や愛する家族の思いを胸に、マウンドの登りその気持ちを十分に示した。

 秋山監督

 (延長12回同点は)和田がいいピッチングしてたからな。打線がいいところで打てなかった。

 指揮官も評価したように勝ちに等しい投球は見せた。1球の悔しさを胸に、10年最多勝左腕は、昨季以上の活躍を胸に期した。【倉成孝史】