<阪神7-4広島>◇12日◇甲子園
見てくれ、これが新井の魂のプレーだ!
第27代開幕4番に座った阪神新井貴浩内野手(34)が、猛虎44年ぶりとなる開幕戦4連勝を呼んだ。6回にマエケンから同点打。激走につぐ激走で、11年初のお立ち台に呼ばれた。選手会会長として開幕延期問題に奔走した3月の気苦労を全力プレーが吹き飛ばした。今年もプロ野球は楽しめそうですなあ。
たくましさがバットに宿った。1点を追う6回無死一、二塁。新井が、前田健の高め142キロを中前に運んだ。昨季沢村賞右腕から同点タイムリーを放った。
新井
1、2打席目でランナーをかえすことができなくて。コントロールよく決められていた。そろそろ(失投が)くるかなと。
初回と3回は得点圏に走者を置いて凡退。開幕4番の重圧に「緊張した。口が乾きっぱなしだった」といった。ただ失敗を引きずる昨季までの悪癖を封印して、仕事を果たした。
ブラゼルの中飛で一塁を蹴り、二塁に滑り込む果敢な走塁だ。8回1死では上野から二塁打を放って、浅井の中前打で本塁に激走。豪快なスライディングで勝利を決定づけた。
特別なシーズン。選手会会長として同時開幕にかけずり回った。「プロ野球界がダメになる」と発言して「あの発言はちょっと感情的になりすぎたかもしれない」と悔いたこともある。ただその熱意は球場ごとの温かい拍手に変わった。
念願がかなった4・12の前夜。「いろいろなことを考えていました。気持ちの部分が全然違った」。晴れの日の食卓にはお祝いにつきものの赤飯はなし。被災地のことを忘れないために決めた1打点=5万円の義援金は開幕戦からクリアした。ただ選手会長の千金打の価値はプライスレスだ。
新井
本当にすごく応援してもらって、応援してもらえる中でプレーできることに感謝しながらプレーしたい。野球をやらせてもらえることに感謝して。
打って走って、全力プレーでつかんだ40年ぶりの甲子園開幕星。新井は「開幕問題」の奮闘を振り返る質問に対して言った。
新井
それは大変じゃないですよ。いろいろありましたが、今日、開幕したんでね。今からは小さい力かもしれないですが、野球をすることによって勇気が与えられると信じて頑張っていきたい。選手とファンが一体となって「がんばろう!
日本」という気持ちを出していきたい。
特別なシーズンは始まったばかりだ。【益田一弘】



