<横浜7-6巨人>◇29日◇横浜

 全力疾走で三塁まで到達した横浜村田修一内野手(30)は2度、右拳を突き上げた。3点ビハインドの6回。1死満塁から森本の併殺崩れの間に1点返し、なお2死満塁で主将が決めてみせた。「是が非でも打たないといけない気持ちで、いいアドレナリンが出た」と、巨人高木のカーブを引き付け、右方向に振り抜いた。右翼フェンスを直撃する走者一掃の逆転二塁打。送球間に三塁を陥れ、「1回目は自然と、2回目はベンチのみんなに応えてやりました」と、笑顔のガッツポーズを振り返った。

 1週間の遠征を1勝4敗。最下位に転落してのホームグラウンドだったが、スタンドには2万人以上のファンが詰め掛けた。「このままズルズルというのは見せたくなかった」。序盤で5点奪われ、劣勢を強いられたが、あきらめることはなかった。無安打で迎えた4回の攻撃前には円陣を組んで「1点ずつ返していこう」とナインを鼓舞。吉村、藤田の適時打で19イニングぶりの得点を挙げ、追い上げムードをつくり上げた。

 「投手が打たれたら打ち返す。投手と野手が一体となってベイスターズ」と村田。チーム一丸となって勝ち取った勝利で連敗は3でストップ。価値ある逆転劇となった。【佐竹実】