<楽天3-10オリックス>◇1日◇Kスタ宮城

 星野楽天の守護神候補が、ついにベールを脱いだ。新外国人ロムロ・サンチェス投手(27)が1日、オリックス6回戦(Kスタ宮城)に登板。初の1軍マウンドで150キロ超を連発し、1イニングを無失点に抑えた。試合には敗れ連勝は3で止まったが、救援陣に頼もしいピースが加わった。

 ぶっとい腕で、むんずとつかんだボールがうなりを上げた。196センチ、120キロの巨漢は思い切り腕を振った。嶋のミットに吸い込まれると、Kスタ宮城がどよめいた。8回、オリックス先頭坂口への初球。低めに外れたが151キロを計測した。そこから、151キロ、151キロ、153キロと続け、カウント2ボール2ストライク。最後はチェンジアップを初めて投げた。136キロが人を食ったように、打者の手元でストンと落ちた。坂口は一瞬、打ちにいったが、間を外され見逃し三振。鮮やかに、サンチェスがデビューした。

 2死から後藤に二塁打を打たれたが、続くT-岡田を内角153キロで三飛。1イニングを無失点で切り抜けた。最速は155キロを計測。ポンポンとストライクを奪った内容に「初めての登板で、まずまずの投球が出来た」と納得顔。星野監督は「今日の見どころはサンチェスと横川のホームランだけや。サンチェスは、2階からボールが落ちてきたな」と大差で敗れた試合の中で、長身から放たれた角度ある球筋を評価した。

 待望の抑え候補だ。球団は狙いを定め、大リーグの今春キャンプを追っていた。ビデオを見た球団関係者は「ファルケンボーグだ」と絶賛。ソフトバンクの絶対的救援投手になぞらえた。ロースターから外れたことで、開幕直前に契約成立。2軍での調整登板を経て、先月26日に出場選手登録された。抑えとして、すぐにでも登板させたいところだったが、テスト入団のスパイアーが、ここまで4セーブと結果を出している。最初は楽なところで、という配慮から、この日ようやくマウンドに上がった。

 佐藤投手コーチは「もう1回ぐらい様子を見る」としたが、スパイアーの状態次第では当初の構想通り守護神となる可能性は十分。その適性を見せた初登板だった。【古川真弥】