<ソフトバンク7-0阪神>◇21日◇福岡ヤフードーム

 ソフトバンク長谷川勇也外野手(26)が大当たりで大勝を呼び込んだ。3回の第1打席。直球を振り切った打球は右翼席へ。今季1号はエース杉内を援護する先制弾だ。09年以来の本拠お立ち台で、思わず泣きそうになった。「森本さんに冷やかされるので」とグッと我慢。「めっちゃうれしい」と笑みが広がった。

 09年に打率3割1分2厘。だが、昨年は2割5分5厘の不振。今季も開幕は2軍で迎え、4月中旬に1軍昇格したものの、ベンチスタートの日々だった。「相手に合わせてヒットにしにいこうとするクセがある。振り遅れてもいいので、どっか飛んでいってくれという感じにした」。試行錯誤を続け、上昇気配を感じていた。試合前のフリー打撃で右翼席へ連発したところ、秋山監督の「試合で見たい」と声をかけられた。

 大当たりは早朝から。自宅を車で出る前、自動販売機で缶コーヒーを買うのが日課。過去2年間、当たりを経験したことがなかったが「ピピピって音がしていて、見たら『1111』って当たったんですよ。すごくないですか」。予兆だったのかもしれない。

 もう迷いはない。「自分の道筋、形が遠回りしたけれど分かってきた」。缶コーヒーの当たりがなくても、打ち続けてみせる。【松井周治】