マンモススタンドも味方に古巣をたたく。楽天は17日、交流戦最終カードとなる阪神戦に向け大阪入り、甲子園球場で練習を行った。星野仙一監督(64)にとって、同球場での阪神戦指揮は10年ぶりとなる。現役時代から「楽しみで仕方がなかった」聖地。虎党で埋まる敵地で、声援もヤジも力に変えて締めくくる。

 超満員確定の報を聞き、心底うれしそうだった。「この球場は満員が似合うんだ」と2連戦が待ち切れなかった。「こんなところで野球が出来るなんて、と幸せに思わないと。みんな雰囲気にのまれてしまうがな」と聖地での心得を説いた。続けて「井川なんかヤジにも涼しい顔してた。どんどんヤジってもらって構わない」。ファンが選手を育てることを誰より知っている。完全アウェーを受け止め勝てば、楽天の財産となると踏んでいる。

 日本一アグレッシブでやんちゃな虎党を「かわいいんだよ」と評した。16日の阪急阪神HD株主総会で、古巣に対し厳しい叱咤(しった)が飛んだ。「スッキリしただろうよ」と笑い飛ばした後、言った。

 星野監督

 (ファンは)期待するところがあっての発言だろうが(フロントはファンに)謝ってはいかん。現場は監督に任せておけばいい。最後は自分が責任を取るんだ。選手のことを言わせたらいかん。

 真弓監督を思いやった上、監督としての哲学も重ねてみせた。帽子を脱ぎ「ここを強くするんだ」と、イーグルスのロゴをなでて帰った。郷愁はない。虎を踏み台にして仙台へ帰る。【宮下敬至】