<西武3-7オリックス>◇8日◇西武ドーム

 今年の夏はエコやんか。オリックスが省エネ攻撃で西武に快勝した。高温多湿の西武ドームで岡田彰布監督(53)が1人、涼しい顔であごをしゃくった。「向こうのミスもあったしな」。得点シーンはほおが緩みそうなほどおいしく、効率的だった。

 無駄を省く1日だった。試合当日に大阪から移動。岡田監督は自宅から到着まで5時間以上を要した。「ここが一番遠いからな」。選手の疲労を考え、打撃練習を40分で切り上げ、エネルギーを温存した。3回。T-岡田の打ち取られた打球は栗山と大島が同時に見失う、ラッキーな適時二塁打。節電による減灯の影響もあったとみられ、栗山は「何を言ってもいいわけになる」と歯ぎしりし、オリックスベンチは笑った。

 6回は帆足が2四球と安打で無死満塁でバルディリス、大引の適時打で2点。8回も2失策と四球で1死満塁とし、坂口の内野ゴロと田口の適時打でダメ押しの3点を手にした。相手がつくった環境に配慮して効率良く攻めた。もちろん、打順別で1番に次いで7番が打率・291を記録するなど、打線全体に無駄がない事実も見落とせない。岡田監督は「つながるいうか、みんなが平均的にな。何とか塁に出ようというのがある」と評価した。

 7カード連続で初戦を取り、再び貯金2。「球宴までの6つ、6つの12試合。いい感じで終わるようにすればな」。地元関西はこの日梅雨明け。猛暑に向けて指揮官のエコな軍配も注目されそうだ。【押谷謙爾】