<オリックス1-1日本ハム>◇12日◇京セラドーム大阪

 オリックスが土壇場で黒星を引き分けに変えた。9回1死からバルディリスが中越え二塁打を放ち、岡田彰布監督(53)は代走森山をコール。プロ野球記録となる3試合連続サヨナラホームを踏んだ福男の登場で追撃ムードを高めると、鈴木が左中間に同点二塁打を放った。日本ハムには今季、1勝7敗と相性さっぱり。敗色濃厚なゲームで意地をみせた。

 球場は“ビジター仕様”だった。今回の試合スポンサーはなんと日本ハム(本社・大阪市)。相手親会社のマスコットが訪れ、バックスクリーン下には看板も立った。来場者にうちわを配布、抽選でハムの詰め合わせをプレゼントするという企画。日本ハムのうちわが打ち振られ、本拠地を乗っ取られた格好だった。

 これで調子を狂わせたわけではないが、打線は3回以降、毎回得点圏に走者を出しながら1本が出ず、9残塁。「一、三塁であの三振でなあ。あそこで追いつけば楽な展開なってたよ。前飛ばんと何も起きん」。岡田監督は8回1死一、三塁のT-岡田外野手(23)の空振り三振に口をとがらせた。9連戦で2度目となる、東京から当日移動でのゲーム。今季初の4連敗とエース金子千の初黒星を消す、4度目の引き分けで不快指数は半分に減った。【押谷謙爾】