<楽天9-1ロッテ>◇12日◇Kスタ宮城

 楽天の連敗が7で、いとも簡単に止まった。4回山崎武司内野手(42)の犠飛、ルイス・ガルシア内野手(32)の3ランで主導権奪取。5回は相手のミスに足を絡め加点し、7回は絞り球を明確にした上でファーストストライクから積極的に打って出て、ダメ押しの4点。安打9本で9得点のバランスも申し分なかった。

 苦心作のスタメンが実を結んだ。守備力低下を覚悟の上で、一塁ガルシア、草野を左翼に配しバットにかけた。本西打撃コーチは「調子のいい3人(山崎、ガルシア、草野)を同時に使うには、この形しかないからね」。ガルシアの守備範囲は二塁手内村の超ワイドな守備範囲で補い、その内村は猛打賞で打線の歯車にもなった。

 「長い野球生活の経験上、連敗を止めるのは完封か大勝だ」。星野監督の予言はズバリだった。「仮に打率2割2分でも、キラリと光るものがあれば使うんだが」と、ファームから若手の台頭を待ったが兆しがない。「ホンマに力強いスイングしてる。パワーをウチに分けて欲しいな」と甲子園球児がまぶしく見えた貧打の日々から、ようやく、しかも豪快に抜け出した。「相手のミスに付け込む野球が出来たが、もっと早くしてくれればな。まだまだ喜べない。明日を見てだ」。今日13日先発のマー君に強力援護出来るか。今後を占う試金石となる。【宮下敬至】