西武菊池雄星投手(20)が完投の“残像”を利用して自身4連勝を狙う。31日に盛岡で行われる楽天戦に向けて29日、平常通りに登板2日前のブルペン投球で調整した。初めてとなる同一球団と2度目の対戦。20歳にプロ初完投勝利を献上した相手も、打席で得た生のデータをもとに対策を練ってくる。

 菊池自身も「(前回のように)9回までいけるとは思っていません」としたが、つけ加えることを忘れなかった。「前回は真っすぐも(最速)145くらいで、スライダーの曲がりも良くなかった。打ちやすいピッチャーと思っているはず」。確かに18日の楽天戦は調子がいまひとつだった。今回は中12日。登板間隔があいた難しさより、自分本来のボールを投げる準備ができたととらえている。

 2万5000人を収容する岩手県営野球場だが、チケットは完売状態。「自分自身が楽しみにしていました」と話す菊池だけでなく、東北のファンもまた、左腕の故郷凱旋(がいせん)登板を待ちきれないでいる。