<中日1-0横浜>◇11日◇ナゴヤドーム

 中日マキシモ・ネルソン投手(29)が、自身の連敗を9で止めた。ゲームセットの瞬間をベンチで見届けると、白い歯を見せてナインとハイタッチ。うれしそうにベンチから飛び出すと、岩瀬からウイニングボールを大事そうに受け取った。今季7勝目。中4日の登板だったが、6月30日横浜戦以来、73日ぶりに白星をたぐり寄せた。

 「とにかくアグレッシブにいこうと思った。(連敗中は)いろいろなことを考えたし、いろんなことを学んだ。いくら悪くても頑張れば、こういうふうになることも学んだ」

 スタートから気迫が違った。1回に先頭下園を二ゴロに仕留めると荒波、石川をフォークで空振り三振。「初回から1人、1人に集中していった」とこれまでの序盤に先制点を許してしまう悪い癖を反省。苦手な立ち上がりを乗り切って7回4安打無失点に抑えた。

 苦悩の日々が続いていた。白星が止まってからは、お気に入りのドレッドヘアを短く切ったり、プレー中に着けている腕輪を替えるなど験を担いだ。何とか“流れ”を変えようと必死だった。

 ただ、最後に勝利の女神を振り向かせたのは純粋なチームへの愛情だ。前日10日には登板機会がないにもかかわらず、ベンチ入り。「あれはチームが逆転するというおまじないさ」と、2点差を逆転した8回には帽子を裏返してかぶり、大声で応援した。

 チームは今季2度目の4連勝で単独2位を死守。貯金4は7月11日以来、2カ月ぶりだ。ヤクルト追撃へ、背番号49の復活は大きなプラス材料だ。【桝井聡】