<西武6-5楽天>◇16日◇西武ドーム
西武ドームの階段に楽天星野仙一監督(64)のバリトンが響いた。「よく追い付いたよ。今日の帆足は良かったからね。小山は何にも、悪くないよ」。10段ほど笑みをたたえ穏やかだった。直後「あのエラーだろ!
昨日も、レフトのエラーからじゃないか!
簡単なゴロを若い選手がエラーしていてはいかん」。腹の底から一気に吐くと、後は黙って歩を進めるだけだった。
0-5で簡単に終わるところだった。9回。先頭西村からの打線がつながった。制球難の2番手ミンチェ、急仕上げの抑え牧田もつかまえた。嶋が右中間突破の2点適時二塁打。岩村が銀仁朗のブロックを突破し、5点目をもぎ取った。
その裏を小山に託した。前夜サヨナラ打を食ったが、星野監督は「やり返すなんて別にない」とブルペンの番人を投入した。先頭中島。球威に押された真正面の二ゴロ。「大事にいこうと思った」内村の両足がそろい、打球はグラブからこぼれた。代わりはなにつまずくと、小山の制球は定まらない。連続四球で1死満塁。ここ4戦3度目となる悪夢のシナリオは出来た。
神戸からの移動試合。監督は朝の伊丹空港でも「ミスはもういかん」と力んでいた。完敗ムードで序盤からすることがなく、ベンチに座りっぱなし。9回裏は一転、執念を見せた。西武中村のスイングが捕手嶋の守備妨害を誘ったと猛アピール。満塁になると嶋をベンチに呼んだ。小山続投の意思統一をし腹をくくった。
「明日につながる…、そうしないと」。失敗を糧に、などと言ってる時期じゃない。猛牛にはムチが入っている。自滅したら置いていかれる。【宮下敬至】



