<ソフトバンク4-3日本ハム>◇18日◇福岡ヤフードーム

 天才は一瞬で見抜く。1回1死二塁。ソフトバンク内川聖一外野手(29)は3球目の変化球をファウルし、日本ハム吉川の攻略法を思いついた。球速以上に、球に勢いときれを感じた。「きれいに引っ張るよりちょっと詰まり気味の方が安打になる」と判断した。ひらめいた通り、4球目の内角高めの変化球を右翼前へ運んだ。先制の適時打を放ち、一塁ベース上で満面の笑みを見せた。

 同点の4回2死満塁では9球目。外角の変化球をコンパクトに振り切り左前へ運ぶ。また吉川から勝ち越しの2点適時打を放った。7回には榊原の直球を捉え左前打。規定打席到達まであと5打席となった。今日19日オリックス戦にも首位打者へ浮上する。このまま優勝すれば、MVPの最有力候補。「どんな試合もいつも通りやるだけ。だが目に見えるもの(マジック)が出て、それを消していくことにやりがいを感じる。もちろん、比重は優勝したい気持ちの方が強いが、結果としてタイトルもとりたい」と優勝と首位打者のダブル獲得を宣言した。

 前日はダルビッシュから9回に左前打を放つまでに、プロ初の3打席連続三振を喫した。安打を打った喜びよりも、それまで子供扱いされた悔しさが募った。尊敬する横浜時代の先輩、仁志敏久氏(野球評論家)の言葉を思い出した。「プロはファンを喜ばせてこそ価値がある」。マジックを減らすことが、ファンが最も喜ぶことと考え直した。

 2位と7・5ゲーム差も開いたのは、南海時代の65年以来。優勝マジックは15。「早く決まる方がいい」。最短となる28日優勝に、勢いを加速させた。【奈島宏樹】